【慣らし運転】
◆慣らしとは?
いくら機械精度が上がっても、組み付け精度が上がっても、ある程度のナラシは必要だと考えます。
ナラシをすることにより、金属同士の摩擦面が(ミクロ単位で)切削され、密着度(密閉度)が上がり、
エンジン性能値が設計値に近づくと思います。
また、熱伝導率も向上し、オーバーヒートしにくいエンジンになるでしょう。徐々に回転を上げていくことにより、
金属同士の「当たり面」が変化し、低回転時の密閉度を下げずに高回転までフリクションロスの少ない
エンジンになるでしょう。
チューニングにより馬力を上げても、壊れにくくなる可能性もあります。
◆慣らしの具体的な方法
【@納車時(エンジンO/H時を含む)〜500Km】
3,000rpmまで
ひたすら3,000rpmを超えないよう、ガンバル。しかもこの回転ではシフトアップ時にかなりノッキングしやすい
状態になるので、アクセル開度をミニマムに!ブースト計では、絶対に正圧にならないように。
【A500〜1500km】
4,000rpmまで
巡航は3,000以下。500km時に1回オイル+エレメント交換。これは、ナラシの初期に大量に出る金属粉などを
除去する為。フィルターで濾されない小さな金属粉はぐるぐるとコンパウンドの役割をしながらエンジン内を回る!
【B1500〜2500km】
5,000rpmまで
巡航は3,500以下。通常は4,000でシフトアップし、たまにゆっくり5,000まで回転を上げるカンジ。
【C2500〜3000km】
5,000rpmまで
巡航は4,000以下。最高回転数は同じだが、0.1kまでブーストがかかるようにする。
この段階で「街乗り用エンジン」のナラシが終わる。3000km時、オイル・エレメント交換。
【D3000〜4000km】
6,000rpmまで
ブーストは0.3kまで。ようやくセカンダリタービンが仕事をし始める。
【E4000〜5000km】
7,000rpmまでブーストは0.5kまで。
(ホース抜けなどの音を注意深くチェック)
5,000km時、オイル・エレメント・M/Tオイル・DEFオイル・点火プラグを交換しておくとよい。
◆短期集中慣らしがベター(?)
なぜなら、ナラシの終わっていない状態のエンジンを頻繁に「エンジン始動」「エンジン停止」させたくないからです。
アタリの付いていないエンジンで、しかも油圧のない状態から始動させることはエンジンが一番磨耗する状態です。
だからエンジンをほとんど止めずに長距離走ることは初期のエンジンにとっていいことです。
ただ、最初から高速に乗ってしまうとどうしても回転が上がってしまうし(FDで高速上を70kmで走るわけにもいかないし)、
5速だけにアタリがついてしまいます。だから、行きはシタミチでのんびり行って、帰りは高速で帰ってくるのがBESTでしょう。
ちなみに500kmを超えるときはオイル交換が必要になるので、行き先の近くのMAZDAディーラーなどでオイル交換して
もらいましょう。
◆トランスミッションにもナラシは必要
方法は「普通の運転をしていれば」エンジンのナラシと同時に進行するものですが、例えば4000rpmまでの時は、
1速で4000rpmまでひっぱり、
2速で4000rpmまでひっぱり、
3速で4000rpmまでひっぱり、
4速で4000rpmまでひっぱり、
5速で4000rpmまでひっぱる。
というようにします。
ただ問題は「5速6000rpm」などで、法定速度を大幅にオーバーしますので、各自の判断で行って下さい。
「使わない領域」は「ナラシの必要はありません!」
◆サスペンションもナラシが必要
具体的には「ダンパー」なのですが、新品時にいきなり悪路を全開で走行したりサーキットを走ったりすると、
抜けてしまいます。ダンパーが新品の時は速度を控えめにし、悪路を走行しないよう、心がけてください。
◆タイヤのナラシ
タイヤは「ナラシ」とはいいませんが、新品のタイヤには表面に「はく離剤」がついていて、本来のグリップを発揮しません。
店頭で売られていたモノなら、光沢剤もついているでしょう。「ハイグリップだぜ!」といきなり全開にせず、100kmほどは
大人しく走りましょう。この間、スピードも控えます。
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